Home 全国有床ニュース最新号 有診協ニュース第66号 - 東日本大震災と現地の惨状

postheadericon 有診協ニュース第66号 - 東日本大震災と現地の惨状

記事インデックス
有診協ニュース第66号
東日本大震災と現地の惨状
被災会員を支援するための募金について
被災地の慢性期患者受け入れについて
常任理事会及び役員会報告
有床診療所に関する検討委員会報告
「有床診療所の日」制定
ロゴマーク募集について
会 員 状 況
訃   報
あ と が き
すべてのページ

東日本大震災と現地の惨状

全国有床診療所連絡協議会
会 長  葉 梨 之 紀 

 3月11 日、東京において突然大きな揺れを感じた。それは東日本大震災の始まりであった。
ニュースでは、東北の太平洋沿岸地域に大地震が発生し、まもなく津波が来るのでそれに備えるよう呼びかけていた。
そして、しばらくして岩手・宮城・福島に大きな津波が襲来した事が報じられた。
当日は電車も止まり、やっとホテルが見つかったが、暗い東京の道を大勢の人たちが黙々と歩いていた。タクシーは無かった。 翌日のニュースで東北地方の地震・大津波による被害と多数の死者・行方不明者が出ていることが分かり、その悲惨な状況が報じられた。


また夕方には福島県の原発が爆発した事が報じられ、放射能被爆が問題となった。
今回の大震災では、死者1万5千人、行方不明者1万人、家を失った避難民15 万人という大災害となった。
 あれから約2ヶ月が経ち、被災地は一部を残してインフラの復旧も進み、少しずつ復興に向かっている。
しかし、福島県は原発の事故が収まらず、まだ見通しが立たない状況にある。 
医療救護は、被災翌日には各県からDMAT(日赤等の公的病院チーム)が現地に入り、救護活動を開始した。
しかし、津波による被害は救急外傷がほとんど無く、運ばれてくるのは、大部分が遺体であったと報告されている。
また地域的に高齢者が多く、津波から助かっても低体温で次々に死亡されたという。
更に遅れて日本医師会の呼びかけで全国からJMAT が参加して、避難所の住民や助かった医療機関の手助けにあたった。 今回の被災住民の医療は、当初から慢性疾患の増悪と、その他軽度の外傷・感染症が主体となった。DMAT は慢性疾患の治療は想定していなかったため、薬がなく困った。

 — 2 —

 更にガソリンが無いために、食料・水等の外部からの運搬が困難であった。 
被害が軽くすんだ医療機関でも、職員が車で通勤できず、泊り込みで住民の治療に当たり、また自分の診療所が全壊した医師は、避難所の分担を決めて避難民の治療と健康保持に奮闘されている。
顔見知りの住民たちは、「かかりつけ」の医師や看護師の顔を見て大変喜んだという。 今、現地では完全に町が無くなった所はともかく、自衛隊やボランティアの助力で少しずつ瓦礫を寄せて道を作り、又、浸水して汚泥の溜まった室内や床を片付けて生活の再建を始めている。
電気は通じても、水道・下水が使えず不自由な生活に耐えている。病院の再建は規模も金額も大きく年月がかかるが、
診療所は仮設診療所を始めている先生方もいて、少し元気が出てきたように感じた。さしあたって資金の支援が緊急に必要となる。
日赤・日医をはじめ各団体も義援金の募金を始めたが、全国有床診連絡協議会も被災された会員に対する支援金を集めているので、先生方のご協力をお願い致します。
被災を免れた、又は軽微であった地域の基幹病院も大学病院等の協力を得て、今もなお大奮闘しているが、地域に患者を帰す診療所が無く困っている。
やはり地域住民と共に生きるわれわれ診療所が身近になくてはならないということを現地で痛感した。
(しかし、現地の先生方は患者であった住民の多数がいなくなった状況では、将来の経営に不安を抱いている。)
今後も出来る限りの支援を行い、被災地の1日も早い復興を願いたい。また我々の仲間の医師10 数名が亡くなられた、謹んでご冥福をお祈りいたします。
被災県会員被害状況調査報告 今般の東日本大震災で被害が大きかった岩手県・宮城県・福島県の会員の安否確認と被害状況を把握するため、本会でも独自に電話やFAXを使って調査を行った。 
沿岸部では連絡がとれない医療機関も多いであろうと推測できたが、内陸部でもインフラの復旧が遅れている所が多く、調査は難航した。 
以下は、本会で調査又は県有床診療所協議会で調査した結果報告である。

— 3 —

 【岩手県】58 医療機関

・2階まで浸水…………………………………………………………………………………3

・壁・天井の亀裂と崩落、床割れ(隆起)、窓ガラスとブラインド破損、ボイラー
 水漏れ、煙突破損、トイレ・汚物処理シンク破損、全病室と手術室の蛍光灯破損、
 食器の半分が破損したが医療機器は全て使用可(入院可)………………………………1

・壁に亀裂、医療機器も半分くらい使用不可(入院不可)… …………………………………1

・壁に亀裂、エアコン故障又は駐車場一部陥没(入院可又は入院不可)……………………2

・給・湯器・ボイラー破損又はコンピュータの不具合(入院可)… ……………………………3

・壁(内・外)等に亀裂又は天井からの水漏れ(入院可又は入院不可)… …………………14

・被害なし(入院可又は入院不可)… …………………………………………………………33

・未回答…………………………………………………………………………………………1

【宮城県】77 名

・建物半壊・浸水、医療機器全て又は半分使用不可…………………………………………14

・壁に亀裂、地盤沈下で浄化槽に支障、医療機器も半分位使用不可(入院可)………………1

・液状化で新館傾き、上下水道管破損(入院可)… ……………………………………………1

・タイル落下、医療機器も半分くらい使用不可(入院不可-断水中のため)……………………1

・壁に亀裂、医療機器も一部使用不可(入院可)…………………………………………………1

・建物被害はないが医療機器の半分くらい使用不可(入院可)…………………………………1

・外溝沈下及び破損、医療機器も1~2割使用不可(入院不可)………………………………1

・壁等に亀裂、駐車場沈下、池破損(入院可)……………………………………………………1

・壁に亀裂、薬品戸棚倒壊(入院可)… ……………………………………………………………1

・壁に亀裂、CTのみ使用不可(入院再開予定)……………………………………………………1

・自家用車1台流出(入院可)………………………………………………………………………1

・壁に亀裂、ドアの開閉不可(入院不可-ライフラインの関係)……………………………………1

・壁等に亀裂、医療機器一部破損(現在復旧)(入院可又は外注が整えば可)…………………2

・壁等に亀裂、その他一部損傷(入院可又は不可-ライフラインの関係)… …………………27

・水タンク管破損又は水道管破裂(入院可)… ……………………………………………………2

・被害なし(入院可又は入院不可)… ……………………………………………………………17

・未回答……………………………………………………………………………………………4

— 4 —

 【福島県】24 名

・建物と医療機器ともに一部損傷、診療・入院も不可(退避勧告のため)……………………1

・建物一部損壊、医療機器・備品破損…………………………………………………………4

・建物一部損傷…………………………………………………………………………………2

・医療機器破損…………………………………………………………………………………4

・看護師不足(通勤不可)により一時入院中止…………………………………………………1

・被害なし………………………………………………………………………………………12

 



最終更新 (2011年 7月 02日(土曜日) 17:43)