Home 協議会について

postheadericon ごあいさつ

 「有床診療所」とは、どんな医療施設か知っていますか?

●有床診療所の特性●


有床診療所とは、19床以下の病床を備え、外来及び入院医療を行う小規模医療施設のことです。 (20床以上は病院) 例えば、肺炎・腎盂炎・胃腸炎・骨折などの急性疾患だけでなく、高血圧・糖尿病・腰痛症などの慢性疾患の急な変化、高齢者の療養や介護の受け入れから正常・異常分娩、あるいは小手術から比較的高度な手術までを行い、地域に密着し、住民のニーズに応じた適正な医療を柔軟に提供して来たことで、長い間わが国の中核的医療単位として機能してきた医療施設です。 現在、わが国の総分娩数の47%を有床診療所が担っています。有床診療所は大病院と異なり、患者さん・家族にとって、距離的・心理的にもその身近さは何物にも代え難いものがあり、患者さんがご自身の生活圏の中で医療を受けられる場所であり、また通常は、患者さんと同じ地域に生活する一人の開業医が、患者さんの身体的既往にとどまらず、社会的、家族的、個人的背景をも理解した上で包括的医療を実践しています。 したがって、多様化する患者さんのニーズに対応していくには、大病院の組織医療よりは、有床診療所の立場のほうが、より適切な肌目のこまかい全人的医療の提供が可能だと思われます。

●有床診療所のこれまで●

有床診療所の院長は、入院患者さんを自らの責任で管理し、法的な要求がなくても必要な看護職を配置して来ました。 また、安全基準等の規制にも、多くの有床診療所はきちんと対応しており、特に高度の専門医療を提供する場合や複数の医師を要する手術の場合など、さらにやむを得ない医師不在時の対応についても、 病診(病院と診療所)・診診(診療所と診療所)連携、あるいは地域医師会内での連絡を密にして、背金なる対応に努めてきました。 それ故に、制度設定以来過去60年にわたり、有床診療所に対して社会的クレームはついておらず、 「ゆうしょうしんりょうしょ」の概念は国民に定着しないまま、患者さんからは「びょういん」と呼ばれて、同じように社会に受け入れられて来た実績を持っています。

●有床診療所の現状●

近年、有床診療所の無床化が年ごとに著しくなっており、毎年約1000の有床診療所が病床を閉鎖している状況で、平成13年に1万7460施設あった有床診療所が、平成18年には1万2898施設にまで減少してしまいました。 その原因として、患者さんの大病院志向や、病院と診療所との医療機能の格差等が取り沙汰されていますが、有床診療所という、住民にとって利便性が高く、頼りになる入院施設が存在する事を多くの人々に知られていない事と、有床診療所入院料の診療報酬が、政府によってあまりにも低く定められている為に、その経営が困難である事などがあげられています。 しかし、日本の医療システムの中で有床診療所がなくなった場合、日本の医療は硬直化して国民は大変な目に遭うのではないかと我々は医療を提供する立場から心配しております。

●今後の有床診療所のあり方●

急性期・慢性期を問わず、診療所の外来と大病院の入院機能との間には、病院に行くほど重症ではないケースや、病院への入院待機、在院日数短縮化が進められる中、病院退院後の後療法も含め、有床診療所で対応できる幅広い患者層が現実に存在します。 診養病床削減・再編成、介護病床廃止など、国は、その受け皿となる施設が未整備のまま、入院から在宅へと誘導政策を進めていますが、介護者不在、あるいは老老介護、住宅事情、家族関係で自宅での養生が不可能な人たちが現実に多数おられます。このような方がたは、いわゆる医療・介護難民となり、どこに行けばよいのでしょうか。 地域住民にとっての利便性は、政府のいう「良質な医療」の要件に変らぬ大前提です。今こそ、地域の方がたにとって、 “近くで、前からよく知っている”有床診療所の存在とその活用に注目して頂くことが、今後のわが国の地域の医療のためにも必要であると考えられるのです。 この際、地域における貴重な社会的資源である有床診療所の病床・施設に、存続可能な対応措置がとられ利用されるならば、むしろ今後の医療・介護費の節約にもつながることでありましょう。有床診療所に期待される役割はますます大きいものがあると思われます。

●患者さんのために有床診療所の存続と活用を●

患者さんの生活圏の中で身近に存在し、 「かかりつけ医」として地域に密着し、初期医療から末期医療まで果たしている有床診療所は、高度で専門的、かつ多様な組織医療を行っている病院とは、その規模や患者さんに対する機能が大きく異なります。 したがって、今回の医療法改正を機に、 「病院病床」と「診療所病床」は別の概念で捉え、最大でも19床という経営効率の悪い有床診療所を存続させるためには、 「診療所病床」は急性期から慢性期、終末期に至る医療・介護が行える機能的な病床として、その柔軟な特性を維持させるべきだと私達は提案し、主張して行きたいと思っております。 皆様のご支援をよろしくお願い致します。


 

全国有床診療所連絡協議会会長 葉梨之紀

こんにちは、全国有床診療所連絡協議会の会長をしています葉梨之紀です。有床診療所をご存じない方もおいでになると思いますので、簡単にご紹介します。

 有床診療所は入院治療のできる診療所で、ベット数が1~19床までで、多くは一人の医師で診療しています。 全国で約12000ヶ所あり、国民にとって気軽にかかれる、身近な入院施設です。 かかりつけ医として気軽に医療相談もできますし、軽症、中等症の緊急患者も受け入れ、専門的で比較的高度な治療も行います。 九州や東北・北海道などの農村地域・人口過疎な地域では、病院も少なく地域医療の中心となっています。 病気の内容によっては、外来通院や自宅での療養では無理の時もありますが、病院のように重い患者さんを主として扱うのではなく、軽症から重症な方まで気軽に入院できます。 また都会地では、基幹病院で大きな手術をした後で、転院してゆっくりリハビリテーション治療をする患者さんもいます。 また有床診療所でも内科の先生方は、往診して在宅医療を熱心にしている方も多く、入院でも在宅でも終末期の看取りまで行っております。

  このように一人の医師が24時間対応して、地域医療のさまざまな面でお役にたっています。 しかし有床診療所は健康保険の診療報酬点数も低く、お金がかからないので患者さんには喜ばれますが、経営は困難で、ここ20年間でその数は3分の1になりました。   この日本で古くから存在し、独特の内容を持つ有床診療所がこれからも存続できるように地域住民や医療関係者のご支援をどうぞお願いいたします。